18年前の大井競馬場で石橋騎手を知った。
私にとっての初めての競馬場。
当時の職場の上司に「ビアガーデンに来るつもりで・・・」と誘われ、
馬券の買い方も知らないのに着いて行ったなぁ。
一緒に行った女性陣は以前のオグリキャップブームもあり、みんな競馬場に
行った事のある人ばかり。
行きの道中「武クンが~」とか、「横典が~」とか、「今日は地方だからね・・・」なんて
会話で盛り上がっている。ブームが去ってもずっとファンを続けている人達。
その頃の自分は武騎手や横山騎手の名前は知っているけれど、『地方』ってなんだ?
競馬の開催に地方と中央(JRA)があるのすら知らなかった。
ポカーンとしながら話を聞いていると、一人の同僚女性から
「緊張しないで。怖くないよ。つまらなかったら生ビール飲んで時間を潰して~」
なんて言われてたっけ。
今思えばこの日は帝王賞。
石橋騎手とライブリマウントが帝王賞に参戦していた。
でも競馬場でどう過ごしていいのかも判らない私は、適当に選んだ数字の馬券を
買ってきて貰い、テーブル確保と荷物番として生ビールを飲んで時間を潰していた。
それを見兼ねた先輩女性に「パドックに行こう!社会勉強だよ」と誘われ、歩けない位の
人ごみをかき分けて、パドックを観ている人の隙間から見えたのは帝王賞の出走馬。
「あの人、中央の騎手だから要チェックね!」先輩の指差す先に見えたのが
ブルーと黄色の勝負服の騎手が石橋騎手だった。
その時のレースは残念ながらよく覚えていない。馬券も外したなぁ。
けれどライブリマウウントが勝ったのは、パドックに連れて行って貰ったのですぐに
判った。
印象に残っているのはゴールを駆け抜ける時の、ライブリマウントと石橋騎手の
シルエットの美しさだけ。
勝利ジョッキーインタビューも覚えていないけれど、石橋騎手が自分と同じ年だと
プロフィールで知った。
石橋騎手の印象は「マジメそうな人だなぁ~、でも何だか気になる!」
その後は私の転職もあって、競馬からは遠ざかっていく。
ゴールを駆け抜けた姿が焼きついて、漠然と乗馬を始めたくなっていた。
当然、ジョッキーにはなれないけれど、馬に乗れたら気持ちがいいなと考えていた。
数年後に実現して、今はお休み中だけど。
ダイワメジャーが出てきた年にオットから「中山競馬場へ皐月賞を観に行こう」と
お誘いがあって、その後数年間は毎年皐月賞を観に行った。
ダイワメジャーから2年後だったろうか、皐月賞の出走表に見覚えのある名前。
メイショウサムソンと石橋騎手の名前があった。なんだか不思議な親近感が湧いてくる。
無性に応援したくなっていた。
ダービーも、天皇賞も、ジャパンカップも、行けないけれどTVにかじりついていた。
武騎手に乗り変わった翌年のジャパンカップ。
怪我でサムソンに乗れない武騎手に変わって、石橋騎手が乗るという。
そんな話を知り、オットを誘って東京競馬場のジャパンカップを観に行った。
結局これが石橋騎手を間近で観た最後だった。
その後は石橋騎手の騎乗が少しづつ減って、TVで観る事も少なくなっていく。
我が家の事情も変わり、気軽に競馬場には行けなくなった。
それでも週末にオットが買ってくるスポーツ新聞の出走表に彼の名前を見つけると
「頑張れ!」と密かに応援していた。
時々オットに頼んでネット投票で馬券を買ってもらっていた。
馬券の結果は散々な事が多かったけれど、元々数点各100円しか買わない私。
そんなに損をした気はしなかった。
先月のネットのニュース欄で石橋騎手の引退を知る。
そういえば昨年、調教師試験に合格ってニュースに載っていたな・・・。
引退式はどこでやるのか?何レースに乗るのか?
今月に入ってからは、週末になるたびにそんな事ばかり気にしていた。
オットが録画してくれていた今日の競馬番組。
引退式の様子が少しだけ写っていた。
みんなに胴上げされる石橋騎手。メイショウのオーナーさんから花束を受け取る姿。
勝負服の石橋騎手はもう見る事が出来ないんだなぁ・・・。
なんだか無性に寂しくなった。
でも、これからは河内さんの厩舎の技術調教師としていいお馬さんを育てて下さい。
私に乗馬のきっかけと競馬の楽しさを教えてくれてありがとう。
そしてお疲れ様でした。
今度はウィナーズサークルでお目にかかりたいですね。
デジカメのデータに残っていた、ジャパンカップの日第5レース メイショウパルマで
勝った時の表彰式に向かう石橋騎手。
人ごみにもまれてきれいに取れたのはこれ1枚(悲)
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